改訂版・時間よ、止まれ。
「あっ、さおり!まだいたんだね。良かったー」
「あれ、華恵?さっき用事あるからって帰ってなかった?」
「ちょっと2組の子から聞いたんだけど、それどころじゃないって!」
「…え?」
確かにさっき私に手を振って先に帰っていったはずの華恵が、何故か息をハアハア切らせながら、また教室に入ってきた。
そして帰ろうとしていた私の元にやってくるなり、こう言った。
「大変だよ!斉藤さん、サッカー部のマネージャーになったって!!」
「………へ?」
私は華恵に促され、自分の机の上にカバンを置いて、席に座り直すことにした。
華恵も、もう帰った後の私の隣の席に座って、事の詳細を教えてくれた。