改訂版・時間よ、止まれ。
「斉藤さん3年だし、マネージャーの数も足りてるらしいんだよ?なのに昨日、顧問の先生の制止も振り切って無理矢理マネージャーになったらしいよ」
「し、信じられない…」
「ホントは新井達に交じってサッカーしたかったみたいだけどね。さすがにうちのサッカー部、男子しかないから…」
「だから、マネージャー?すごい行動力……」
「家も隣で、ほぼ休み時間ごとにうちのクラス来てるのに、更に部活も一緒とは。どんだけ新井の近くにいたいのよ?」
「うん…」
そこまで華恵に新井と斉藤さんの距離感を語られると、逆にやっぱりうらやましいと思ってしまう。
私と新井の共通項は、同じクラスってことだけだし。
休み時間ごとに新井と斉藤さんのツーショットを見せられるたびに、私は胸が苦しくなるばかりだった。
どうしてなのか、分からない。
でも、これだけは言える。
私も新井と同じこと思ってるかもしれない。
新井と話せない時は『張り合いがなくて、つまんない』、と……。
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