改訂版・時間よ、止まれ。
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「………だし、つまんねえよなぁ、井上」
「うん………。えっ!?あ、うん…」
「…井上?」
「ごっ、ごめん。ちゃんと書いてるよ?」
「そーじゃなくて」
それからまた何日か経って、私は新井と今週の週番を担当することになった。
これは出席番号順だから、前後してる私達は一緒にペアを組むことになる。
今はやっと第一日目が終わって、二人で教室の窓を閉めた後、私が日誌を書いているところ。
私の前の空いている席に座った新井は、私の日誌を書く様子をのぞきこんでいた。
「ボーッとすんなよ。明日の授業の話してたのに」
「あ、そっか。ごめん」
「まあいいけど。あのさ、俺そろそろ部活行かないといけないんだよな」
「部活?」
「おう。県大会近いから、サボれなくてさー」
「分かった。こっちはあと私がやっとくから、部活行きなよ。ここまで手伝ってくれただけでも助かったし」
「…別に、俺も週番だからやっただけだし」