改訂版・時間よ、止まれ。
週番一日目だし、もしかしたら新井は仕事手伝ってくれなくて、また私が怒るハメになるのかと思ってたけど、珍しく新井は週番の仕事を積極的にやってくれた。
…そういや、今日は一回も口ゲンカしてない。
こんな風にケンカなしで新井と話すのも、あのハイキング以来のような気がした。
照れたように少し顔を赤くした新井は、私の隣の席から立ち上がって、自分の机の上に置いてあったスポーツバッグを手にした。
けど、そのままじっとして、動こうとしない。
「…どうしたの、新井?どっか体調でも悪い?」
「いや……」
でもやっぱり動かない新井。
ちょっと、せっかく心配してるのに、一体何なのよ!?
「もしかして、私一人に任せるのがそんなに不安!?」
はっ!!
今日はケンカにならずに終われて良かったと思ってたのに、私からケンカ腰になってどーすんのよ!!
ヤバイ…
こんなつもりじゃなかったのに、また口ゲンカだ……
とか思ってたけど、いつもならテンポよく私に言い返してくる新井なのに、何故か私の方を振り返ったまま、しばらく無言だった。
あれ?
新井の様子が、変???