改訂版・時間よ、止まれ。
素直になれない
―――――
――
「はっ!?さおり、やっと気付いたの?」
「やっとって?気持ちに変化があったら教えてって言ったの、華恵じゃん」
「いや、私がそれ言うより、そんな感じだったじゃん」
翌日。
2時間目の体育の時間、女子は体育館でバレーボールの授業。
たまたま試合じゃなかった私は、同じく試合のない華恵に昨日感じた気持ちを言ってみた。
「それにしてもやっとさおりも自覚してきたかー」
「何で私が新井に対して一喜一憂しないといけないんだろ」
「え!?ちょっと、その気持ちの名前を知らないとか言わないよね?」
「ん??一喜一憂???」
「…じゃなくて!!それは『恋』でしょ!?」
「……こっ、恋!?」
華恵が何を言ってるのか、全然理解できなかった。
けど、華恵は冗談言ってるわけではなく、いたって真剣な顔つきだった。
「さおりもよく少女漫画読んでるじゃん?その主人公達と同じ感じだなって思わなかった?」
「え…?」
そういえば漫画では……
好きな男子に優しくされて喜んだり。
ちょっと会話がなくて、そんな時に他の女の子といるのを見てショック受けたり。
まさに、一喜一憂じゃん!!!