改訂版・時間よ、止まれ。
「え、何?まさか、新井がサッカー部なこと、知らなかったとか言わないよね?」
「うん。誰が何部だろうが、帰宅部の私には関係ないし」
「信じらんない…。仮にも1年間、同じクラスだったんでしょ?」
「華恵も帰宅部じゃん?何で今まで別のクラスだった新井がサッカー部だって知ってんの?」
「2年の時同じクラスだった友達がサッカー部のマネージャーしててね。そのコ、新井のファンみたいだから、色々聞かされて詳しいよ。もしかしたら、さおりよりも新井のコト詳しいかもね〜」
「ハイハイ、興味なし〜〜」
こうやって同じクラスで騒々しくやってるだけでも充分ウザいのに、放課後なんて更にウザいことになってるに違いない。
そんな新井の姿を想像するだけでも、食欲がなくなりそうだった。
「まあそう言わず聞きなよ。うちの中学のサッカー部って、数年前までは超が付くほど弱小サッカー部だったのよ」
「そう」
私があからさまに興味のない顔をしているにもかかわらず、華恵は身を乗り出して私に話し掛けてきた。