改訂版・時間よ、止まれ。
「それ、帰宅部と文化部が県大会どこの部活に応援行くか調査する紙だろ?今日締切じゃなかった?」
「あー、そうらしいけど、すっかり忘れてた」
友達である新井の言葉にもあっけらかんと答える男子。
…新井より強敵かも。。。
「じゃー、俺んとこの応援来てくんない?『サッカー部』って書いとけよ。決定ーー」
「サッカー部って、いっつも郊外のスタジアムで試合やってなかった?こっからじゃ遠くねえ?」
「親友だろうが。ケチケチするな、友よ。しゃーねーから俺が書いといてやるよ。『サッカー部』ってな!」
そう言って新井は男子から紙とシャーペンを奪い取り、本当に『サッカー部』と記入した。
「絶対応援来いよ!サボんなよ」
「全く優祐は強引だなー。行くから勝てよ」
「あったり前だろ」
渋々ながら承諾した男子と、ニコニコ笑顔の新井。
…本当にこの人達、友達なんだろうか…?
とか思いつつ、私は新井から紙を受け取った。
「他に未提出のヤツとかいる?いたら『サッカー部』って書いてやろ」
「…残念ながら、もう大丈夫だよ」
「マジでー?つまんねぇ。じゃあとっとと帰りのHR始めようぜ」
「そうだね」
帰りのHRの司会、黒板消し、窓の戸締り……
一通りの週番の仕事を終えて、私と新井は誰もいなくなった教室で日誌を開いた。