改訂版・時間よ、止まれ。
「やっと今週も終わったなー。週番って何気にやること多すぎだし」
「そんなこと言って、上手くサボってたじゃない」
私が日誌にとりかかり始めると、新井はさっき私が集めた、応援に行きたい部活の調査票に目を通し始めた。
「いやー、俺部活あったから抜けられなくてさ〜」
「日誌じゃなくても、休み時間ごとの黒板消しとか…」
「それは由歌梨に言ってほしいし。アイツ俺の都合関係なくやってくるしなぁ」
「おかげで華恵に手伝ってもらったりしたんだから」
「ホント、悪いって………、あれ?」
不意に新井は、調査票をめくる手を止めた。
「…どうしたの?何か変なことでも書いてあった?」
「いやさぁ…、足らなくねぇ?」
「え?うそ??そんなハズ……」
「井上は?井上も帰宅部だろ?」
「…え?」
めっ、目ざとすぎるーーーっ!!!
実は、私の分は後からこっそり入れようと思って、まだ自分で持っていた。
どうせ新井は部活だろうから、私が持っていくことになるし、ペラペラめくったところでバレることはないと思ってたんだけど…
何で気付くのよっ!!