改訂版・時間よ、止まれ。
「俺のサッカーしてるトコ、見てほしいから。…やっぱ無理?」
「え…、あの……」
ただ純粋に、嬉しいと思った。
好きな人から、『サッカーしてるトコを見てほしい』なんて言われて、舞い上がらないわけない。
『ホントは私もサッカー部って書こうと思ってた』
そう言えばいいのに……
上手く言葉が出てこない。
代わりに出てきた言葉は…
「うん。じゃあ、見に行くね」
素直に言えない私…、かわいくない。
けど、新井はそんな私の言葉にも嬉しそうに微笑んでくれた。
「マジで?サンキュ。俺絶対勝つから」
「うん…」
私も新井につられて、少し微笑んだ。
新井の目の前でちゃんと自分の調査票に『サッカー部』と書き込み、その後私は今日の分の日誌を仕上げた。
「…新井?部活行かなくて大丈夫なの?」
いつもなら日誌を書いてる途中で新井は部活に行ってるんだけど、今日は何故かそのまま私の座っている前の席に座っていた。