改訂版・時間よ、止まれ。





「俺のサッカーしてるトコ、見てほしいから。…やっぱ無理?」



「え…、あの……」






ただ純粋に、嬉しいと思った。





好きな人から、『サッカーしてるトコを見てほしい』なんて言われて、舞い上がらないわけない。








『ホントは私もサッカー部って書こうと思ってた』








そう言えばいいのに……




上手く言葉が出てこない。





代わりに出てきた言葉は…







「うん。じゃあ、見に行くね」






素直に言えない私…、かわいくない。






けど、新井はそんな私の言葉にも嬉しそうに微笑んでくれた。






「マジで?サンキュ。俺絶対勝つから」



「うん…」






私も新井につられて、少し微笑んだ。






新井の目の前でちゃんと自分の調査票に『サッカー部』と書き込み、その後私は今日の分の日誌を仕上げた。








「…新井?部活行かなくて大丈夫なの?」






いつもなら日誌を書いてる途中で新井は部活に行ってるんだけど、今日は何故かそのまま私の座っている前の席に座っていた。





< 66 / 236 >

この作品をシェア

pagetop