改訂版・時間よ、止まれ。





「でもちょっと早く来て正解だったね。ほら、新井ファンの女子達がかなりやってきてるよ」






華恵がそう言って後ろの方を指差したので、私も華恵の指の先を追った。





すると、新井ファンで有名な女子達がたくさん応援席に入り始めているところだった。






「…あんなに新井のファンがいるんだ……」



「カッコイイからね〜、新井は」



「そうでもないのに」






じゃあ何で新井のことなんて好きになったんだろう?






…って、自分で疑問が降って湧いてきたけど、その答えは出なかった。










「あ、そうだ。市川くんのことね、さおりに話そうと思って」



「ああ、華恵の好きな人?」



「うん。市川くんと私、特に同じクラスになったことなかったんだけど、ほら、1か月ぐらい前に私、家の階段から落ちて頬にケガしてたでしょ?」



「…そんなこと、あったね」






ホントにあれはすり傷だったみたいで、今華恵が指差してる頬の辺りは、すっかりケガが完治していて、どこが傷跡かも分からないようになっていた。





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