改訂版・時間よ、止まれ。
「ところが、私達が入学してから、急にサッカー部が県大会で好成績を残すようになったの」
「で?それが新井のおかげだとでも言いたいの?」
「意外と話分かるじゃん、さおり。新井、1年の時から異例のレギュラー入りしててさ。普通1年生がレギュラーに入れるなんてないらしいんだよ。それで実力をメキメキ発揮し始めて、何と去年の県大会は、ベスト4入りだよ!?すごくない???」
「それ、新井だけのおかげじゃないでしょ。サッカーなんてチーム戦なんだし」
「何言ってんのよ。今、主将やってる新井の人気を見てれば、すぐ分かるって!!」
「…人気?」
アイツの人気は、単に盛り上げ上手で顔が少々良いからってだけではなかったのか…。
県ベスト4のサッカー部の主将じゃあ、目立つなって方が難しいかも。
「今年の新入生の女の子も、サッカー部のマネージャー狙いが多いらしいよ。ホント新井って、モテるよね〜」
「モテるんだかどうだか。誰も新井の中身知らないだけじゃない」
「新井がサッカー部だって知らなかったクセに、よく言うよ」
「華恵だって、そのうち新井の中身が分かってくるって」