改訂版・時間よ、止まれ。
「さおりのこと靴箱で待ってた時、たまたま声掛けられたの。『絆創膏、はがれてるよ』って」
「え!?そんなことあったんだ?」
「うん。そして絆創膏を1枚私にくれたんだ。『俺はたくさん持ってるからいいよ』って言いながら」
「へぇ〜。優しいね」
「でしょ?しかも去り際に『女の子なんだから、顔のケガには気を付けてね』って言ってくれたの!!カッコイイでしょ!?」
「すごい…。同級生の男子とは思えない……」
「もうびっくりしちゃって!!しかも他のクラスの友達から色々話聞いたら、サッカーはもちろん、勉強の成績もトップクラスらしいのよ」
「ますます完璧な男子だね」
「好きにならないわけないでしょ?もー、これすごくさおりに話したくてさぁ。早くさおり、自分の気持ちに気付かないかなーってずっと思ってたんだよ?」
別にすぐ話してもらっても良かったんだけど……。
でも私の友達として、同じ『恋する女子』でいたかったのかな、華恵は。
そう思うと、少し嬉しかった。