改訂版・時間よ、止まれ。





「もうすぐ始まりそうだね。応援頑張ろうね、さおり!!」



「うん!」








試合開始直前、選手たちがぞろぞろとフィールドに集まり始めた。





その中にはもちろん、うちの中学の青いユニフォームを着た新井の姿もあった。





体操服とかジャージ姿の新井はよく見るけど、サッカーのユニフォーム姿の新井を見るのは初めてで、少しドキドキした。






だけど……






「優祐ーーーぇ♪頑張って!!!」






観客席にいる新井ファンの女子達の声援さえもかき消すような大声で、フィールドの隅っこにいる斉藤さんが新井の応援を始めた。








すっかり忘れてたけど…、



斉藤さん、サッカー部のマネージャーだったんだよね。。。





しかも、マネージャーの特等席の、あんなに近くから応援できるなんて。





…こんなんじゃ、私が新井を応援しても届くわけないよね……?







そんなことを考えていると声援すらできなくなって、私は言葉も出ないままフィールドを眺めていた。






…その時、急に新井がこっちを向いてきた。






ドキンッ!!






目が合った。





私は驚いて、ドキドキを繰り返す胸を抑えるのに必死だったけど、新井はゆっくり微笑んでくれたような気がした。






…うそ!?





これって、私に向けての笑顔?




それとも、たまたまそう見えただけ…?






新井の真意は分からなかったけど、私の身体が少しずつ火照っていくのだけはハッキリと分かった。













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