改訂版・時間よ、止まれ。
「でさぁ、井上勘違いしてるみたいだから、一言言っていい?」
昼下がりのオープンカフェ。
さんさんとまぶしい日差しが降り注いできて、わずかな風が新井の髪を静かに揺らす。
氷の入ったカフェオレをストローでクルクル回しながら、新井はゆっくりと口を開いた。
…勘違い???
私、勘違いなんてしてたっけ?
そう思いながら、シロップの入った甘いアイスミルクティーを飲んでいた私は、ストローから口をはなした。
「由歌梨、彼氏いるよ」
「…え?」
私は驚いて、目を丸くした。
だけど、私の動きが急にフリーズしたので、聞こえてないと思ったらしい新井は、もう一度大きな声で言った。
「だから!斉藤由歌梨は彼氏いるんだよ!しかもアメリカ人の!!!」
しっ、知らなかった…。
斉藤さんにアメリカ人の彼氏がいたなんて。