改訂版・時間よ、止まれ。
「マジで!?」
「…マジで」
驚いて聞き返すと、新井は少し落ち着いた声でそう返して、ゆっくりと座り直した。
「そうだったんだ。当然アメリカにいた時からの付き合いだよね?なのに、新井に対してあんな……」
「ああ…、何となく言いたいことは分かるけど。彼氏いるのに、何で俺に馴れ馴れしいのかって話だろ?確かにただの幼なじみって態度じゃねえよな」
「私は転校したことないから分からないけど、やっぱり不安だったのかな?」
「…だと思うんだけどなぁ。日本の知り合いって、俺ぐらいしかいなかったからかもしれない」
確かに転校したてって友達がいなくて不安だから、知り合いが一人でもいたら、ついついすがりたい気持ちは分からなくもないけど……
いくらなんでも別のクラスだし、やり過ぎなんじゃ…!?
「私、本気で新井狙ってるのかと思ってた…」
「やっぱ勘違いしてたな。まあ安心しろよ。由歌梨、夏休みはアメリカに行って彼氏に会ってくるらしい。ほとんど日本にいないみたいだから」
「そうなんだ…」