先生あのね・・・
その時
誰かとぶつかって、その場に座りこんだ。
その人は私の前で膝を落とし
「君が羽田萌か?
健太郎から聞いていたイメージそのままだな」
そう言った。
・・・えっ?今何て・・・
驚いて顔を上げた。
その人は私の肩を“トントン“と軽くたたき
「HRを始めるぞ。教室に戻れ」
そう言って教室に入って行った。
私は後を追いかけてきたマユに肩を抱かれながら教室に入って席に座った。
先ほどの男の人は
つい数日前まで当たり前のように直江先生が立っていた教壇に立っていた。
「今日から君たちの担任になる小西修二だ。
担当教科は直江先生と同様に数学で君たちにも教える。
卒業までの半年だがよろしく」
その後も小西先生はみんなに面白おかしく自己紹介をしていたらしいが
私の耳には何一つ入ってこなかった。