先生あのね・・・


直江先生がいなくなって

数週間が過ぎようとしていた。




でも、周りの視線は相変わらず冷たいもので

毎日のように靴箱には誹謗・中傷する落書きされた紙が入っていたり

上靴を隠されたりした。



廊下を歩くと

私を見て何かをヒソヒソ囁き合い

教室に入れば
黒板や机には心ない言葉が書き並べられていた。

 

小西先生以外の先生も

まるで腫れ物に触るように接していた。





マユの優しい言葉も

気遣いも

抜けがらになってしまった私の心には届かず


話をして笑い合うのだが

その笑顔は痛々しく見えるだけ。
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