先生あのね・・・


すると先生はゆっくりと話しだした。





「一つ目。
この学校の姉妹校に行くこと
二つ目。
それを君に知らせず出発すること
三つ目。
君が卒業するまで一切の連絡を取らないこと

これが職員会議で健太郎に出された君を退学にしない為の条件だ。

おそらく健太郎も自分がいなくなった後で
君が今の辛い状況に立たされる事も想定していたはずだよ。

それでも君にはこの学校で学び、卒業をしてほしかったんだ。

これが健太郎なりの君を守り
責任をとるという事だったんだ」




そして

小西先生は引出しの中から何かをゴソゴソと探し始めた。

しばらくしてその何か見つかったらしく


それを私の前に差し出した。




「読んでみなさい」



手渡された封筒を見て

私にはそれが直江先生の書いた手紙だという事がすぐに分かった。





「これは先日、俺宛に届いた健太郎からの手紙だよ」

私はその手紙に目を落としながら尋ねた。


「これを私が読んでもいいんですか?」





「今の君が読んだ方がいい」



小西先生はためらいもなく言った。
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