先生あのね・・・


小西先生はその様子を見守って

それから優しく静かに尋ねた。



「これを読んでも
君は学校を辞めるのか?」







私はいつでもこの両腕いっぱいから溢れるほどの
抱えきれない愛情を先生から貰っていたのに

不安になって

迷って

信じられず

わがままを言って先生を困らせた。


それでも先生はいつでも
ありのままの私を受け止め
包み込んでくれた。



私にとって先生は…


たとえ何があっても手放すことなんて出来かった温もり。



かけがえのない

“たった一人”の人。




先生がこの場所を離れたのも

すべてが二人の為・・・





私は首を大きく横に振った。





「私、みんなとこの学校を卒業します。

・・もう大丈夫。
迷ったりしません」



こう言った表情には自信が満ちていて

涙の跡が残るその瞳には

力強い決心が込められていた。







いつかの直江先生の言葉。





言葉にしないと伝わらない・・・





一つの決心が芽生えた。
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