先生あのね・・・
「こんな大変な時期に
迷惑かけてごめんなさい」
私は深く頭を下げた。
「今更何を言っても言い訳にしかならなくて
許して欲しいなんて言えないけど
知って欲しい。
噂の様に私は妊娠していないし、先生とはそんな関係でもなかった。
でも、付き合っていたのは本当の事で、頭ではいけないことだとも分かっていた。
何度も別れようと思った。
けれど、そんなこと出来なくて
どうしようもなくて
自分の気持ちを抑える事なんて出来なかった・・・」
涙声になりながら
私は一生懸命に話そうとした。
しかし
涙が溢れそうになり
なかなか次の言葉も出てこなくて
俯いた時だった。
「萌、ごめん。
私、本当は二人の事に気がついていたの・・・。
でも、この目で二人の姿を見てしまったら許せなくて・・・」
そう言って立ち上がったのは高橋さんだった。
それを聞いた山川さんは
「高橋さん、どういう事?」
高橋さんを少し責めるように聞いた。