先生あのね・・・
最後の教室でのHRでは
教壇に立つ先生の一語一句をみんなは聞き入れている。
そして
最後の挨拶が終わり
それぞれの未来に向けて
教室を後にした。
「萌、私たちも行こうか?」
マユが声をかけた。
「先に行っていいよ。
私、小西先生の所へ行ってくる」
そう言って小西先生に駆け寄った。
「羽田。よく頑張ったな」
「はい、小西先生のおかげです」
と微笑んだ。
「俺じゃないよ。健太郎の力だよ」
そう言ってポケットから紙きれを出し、それを私に差し出して
「これだろ?」
直江先生の住所が書かれたメモを渡してくれた。
「ありがとうございます」
それを受け取り大事にしまった。
「行くのか?」
「はい。
どうなるのかはわかりませんが会いに行ってみようと思います」
「そうか、頑張れよ」
そう言って小西先生は見送ってくれた。