先生あのね・・・


「萌、大丈夫?何しているのよ?」


呆れるように言ったマユの声は


私に届かない。






見つめる先には



直江先生が立っていた。




私はそこに駆け寄り

あと少しで手が届きそうな所で立ち止まった。







「髪、伸びたな?」




一つ頷いた。





「卒業おめでとう。
この日をずっと待っていた」





「うん。私も・・・・」







「本当はずっと伝えたい言葉があったんだ」







私は頷く。














「 愛している 」








私は先生の腕に飛び込んだ。







暖かな風が

まるで祝福するように

二人を包み込んだ。
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