先生あのね・・・


あの頃の私は


目に見えるもの

耳で聞くものが全てで

先生の心に気づけずにいたんだ。



ちょっとした風が吹くたびに

怖くて

寂しくて


見えない何かに震えていた。


いつでも先生は私の傍で

ちゃんと見守っていてくれていたのにね・・・



幼すぎたんだ。



だって

初めてだったから…



こんなにも誰かを好きになることも

誰かの傍にいること

ただ、それだけで幸せに思える気持も



切ない恋をすることも・・・・





そして

知らなかった。



許されない恋をすることに

責任と覚悟が必要だったこと。



この恋が


日に当たれば

その先には代償が待っていること
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