先生あのね・・・
第二章
春うらら
屋上での出来事以来
何となくではあるが
私たちの距離は少しずつ変わり始めた。
先生のあの切なそうな目を見ることもなくなり
先生をとても近くに感じられた。
それで不安が完全に無くなった訳ではなく
学校では相変わらず先生と生徒で
それが寂しくて
いっぱい妬いて
そのイライラをぶつける事もある。
でも、それに対して先生は
言葉にしてくれるわけではないが
その想いをきちんと受け止めて包み込んでくれる。
時には叱られることもあるが、
何となく穏やかで
満ち足りた日は続いていた。
桂木先輩とはあれ以来話す事もなく
廊下ですれ違っても
お互いに目を合わすこともなかった。