先生あのね・・・
背信の夏休み
高校生活最後の夏休みは
夏季講習や補習も多くあって
とても短いものだった。
先生も忙しくて、なかなか遠くへ出かけたりは出来なかったが
毎日のように家の中だけで一緒に過ごしていた。
その日
補習が終わって、一人で帰る支度をしていた時に高橋さんは声をかけてきた。
「今日はマユと一緒じゃないの?」
「マユはデートらしいから…」
鞄にノートを詰めながら答えた。
「山川さんもだって。
今日は私も一人なの」
「そう」
「この後、何も予定がないなら何か食べに行かない?」
「いいよ」
私は鞄を閉じた。