【短編集】キミをみてる。~瞳で伝える恋心~


「おはよう!!」

お兄ちゃんのもとへ駆け寄って、にっこり笑う奏さん。



笑顔もすっごくきれいで

おもわず、見とれてしまう。




「なに?」


低くて、冷たい声。


え?


びっくりして、お兄ちゃんを見た。






お兄ちゃんは、すっごくつめたい表情を奏さんに向けている。


初めて見た。お兄ちゃんのこんな表情。




「『なに?』

って、彼氏に真っ先に挨拶しに来ただけだよ?」



彼氏・・・・・






また、胸の奥が痛い。

なんともいえないせつなさでいっぱいになる。




お兄ちゃん、彼女いたんだ。







初めて知った。


< 113 / 152 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop