【短編集】キミをみてる。~瞳で伝える恋心~
「てか、この子、だれ?」
奏さんは、やっとあたしに気づいた。
なんだか・・・睨まれてる?
「妹。」
「あ、そうなんだ。
あたし奏!!
直人の彼女なんだ♪
よろしくね。」
初対面の人ってなんだか怖くて。
あたしは、小さく頭をさげることしかできなかった。
お兄ちゃんは、そんなあたしに気づいたのか
あたしを隠すように前に立ってくれた。
「気安く話かけないで。」
「え、でも・・・あたし、彼女でしょ?」
「あっそ。
なら、おまえ、もういらない。」
「え・・・・?」
えぇ!?
お兄ちゃん??
「じゃあね。」
お兄ちゃんは、あたしの手をひいてそのまま校門をくぐった。
気になって振り返ってみると、
奏さんは、呆然と立ち尽していた。