【短編集】キミをみてる。~瞳で伝える恋心~


「てか、この子、だれ?」


奏さんは、やっとあたしに気づいた。




なんだか・・・睨まれてる?


「妹。」


「あ、そうなんだ。

あたし奏!!
直人の彼女なんだ♪

よろしくね。」



初対面の人ってなんだか怖くて。

あたしは、小さく頭をさげることしかできなかった。




お兄ちゃんは、そんなあたしに気づいたのか
あたしを隠すように前に立ってくれた。




「気安く話かけないで。」


「え、でも・・・あたし、彼女でしょ?」


「あっそ。

なら、おまえ、もういらない。」



「え・・・・?」



えぇ!?


お兄ちゃん??



「じゃあね。」




お兄ちゃんは、あたしの手をひいてそのまま校門をくぐった。



気になって振り返ってみると、
奏さんは、呆然と立ち尽していた。



< 114 / 152 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop