【短編集】キミをみてる。~瞳で伝える恋心~
そう。
自分でも、そう思うもん。
気持ち悪い。
確信した瞬間
頬になにかが伝った感触。
「え?若菜。
どうしたの?」
「え?」
あわててそれをぬぐいとった。
こんなこと、いえない。
お兄ちゃんが好きだ、なんて。
口が裂けてもいえない。
「な、なんでもない。
あくび!!」
「え?あ、そうなの。
でも、よかったねぇ。
若菜にもついに、好きな人ができたんだ!!」
「あ、そうだね。」
わざと明るく振舞った。