【短編集】キミをみてる。~瞳で伝える恋心~


なき続けても、

やっぱり朝はやってくる。





あたしは、お兄ちゃんが迎えにくる前に準備をして

リビングにおりた。





「あれ?若菜?
おはよう。

今、呼びにいこうとしてたんだよ?」



泣いて腫らしてしまったまぶたを見られないようにうつむく。



「おはよう、お兄ちゃん。
早く用意できたからおりてきたんだ。」




そのままテーブルにつく。




「おはよう、若菜。」

お父さんの声。


「おはよッ」

お母さんの声。



「おはよう。
お父さん、お母さん。」






ふたりの声は、いつもどおり優しくて
あたしの涙腺を誘った。




ちらっと見てみると、

3人とも幸せそうに笑っていた。



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