【短編集】キミをみてる。~瞳で伝える恋心~
でも、こんな気持ち・・・
だれにもいえない。
もし、言ったら、すべてが壊れてしまう。
それに、若菜はどんな顔するだろう?
実の兄が実の妹を好きだなんて・・・
きっと気持ち悪がられるだろう。
こんなふうに笑ってくれなくなるだろう。
それが一番つらいってわかってるから
俺は自分を押し殺す。
押し殺して、優しく笑ってみせる。
「朝ごはん、できてるよ。」
「うん。ありがと♪」
若菜の笑顔を極力見ずに、
俺は扉を閉めた。