【短編集】キミをみてる。~瞳で伝える恋心~



「お兄ちゃん、おかえり!!」


玄関をあけると

かけよってくる若菜。




それだけなのに、心臓が騒ぎ出す。



揺れる長い髪と

小さなえくぼに


体中の血液は沸騰する。





相手が、若菜ってだけで
俺はどんなことにも満足感を覚える。




「ただいま。」



そっと頭をなでてやると、うれしそうにまた笑う。



「遅かったね。」


「ちょっと友達と遊んでたんだ。」

「そっか。」




若菜は、人を疑うことを知らない。

俺の言うこと、すべてを信じる。



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