契約
出逢い
〜11月10日07時00分〜
携帯のアラームでいつもの時間に目を覚ます。
(さむ…)一度布団に縮こまり5分くらいボーッとしてから学校の準備を始める。それがあたしの日課だ。
洗面所で洗顔し化粧水をたっぷり塗りまくり部屋に戻ると鏡の前に座り髪の毛を整えて化粧をする。
濃いメイクが似合わないあたしはほぼスッピンに近い状態の薄化粧。
制服を着て鏡の前で最後のチェックをすると携帯の着信音が鳴り響いた。
着信の相手は毎日一緒に登校している親友の明里。
明里とは小学校のときからずっと一緒にいる親友。
いわゆる幼なじみという関係だ。
「ごめん!寝坊した!先に行っててー!」
「はーい!わかったよー」
家のドアを勢いよく開けると寒さで体が震えた。
「うわぁ…寒い」
全身に鳥肌が立つほど冷たい風は体に突き刺さる。
「冬だ…雪ふるかな…」
空を見上げ小さく呟き歩き始めた。
学校につくといつも通りクラスメイトと言葉を交わし席につく。
寒さに耐えきれずカイロを取り出そうとポケットに手を入れる。
「あ…カイロ忘れた」