マリア教会
すると元帥は小夜の大好きな笑顔を浮かべ、小夜の手の上に自分の手を重ねる。
「そうじゃないわ。一日中机に向かっていても気が滅入るだけだから、私もたまには息抜きしないと」
元帥の気遣いと優しさが嬉しかった。元帥と一緒にいる時の私は自然と笑顔になれる。
「ありがとうございます」
「ところで、学校はどう?」
その質問に一瞬ドキッとした。
学校では相変わらず小夜は一人だった。小夜の私物が無くなってたり、教科書やノートに落書きされていたり…。
だが小夜は、
「大丈夫です」
ただでさえ大変な元帥に心配かけないよう、引きつった笑顔を見せた。
元帥の事を思えばイジメなんて何ともない。まだ私は我慢が出来る。
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