マリア教会
小夜も最初は助ける気なんてなかった。アイリは過去の罰が当たったのだと思っていた。
だが、アイリ達を助けなければ私も昔のアイリと同じで、守護隊の恥さらしとなる。
彼女がこうして過去の事を気にしているという事は、罪悪感を感じてくれているのだろう。それだけで彼女は成長したと思う。
小夜は少しアイリに近付き、顔を上げた彼女と目を合わす。
「私は守護隊です。拉致された者が元帥でも、昔の嫌いなクラスメートでも、命の重さは同じです。だから助けに来ました。ホントは嫌だったけど…」
「言ってる事めちゃくちゃだけど…」
半眼でツッコミを入れるアイリに、小夜は笑いかけた。
「前半は詩織が言ってたんです。とにかく、無事で良かった」
「……」
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