マリア教会


アイリ達を部下に任せ小夜は急いで教会に戻った。
「あ、小夜隊長、お帰りなさい」
「元帥は!?」
顔を見るなり詰め寄って来る小夜に部下は驚いていたが、何とか口を開く。
「まだお帰りになってませんけど…」
「くそっ!」
やはりまだか…。詩織は元帥を助けられたのか?もしかしてもう皆…。
「私もロザリに向かいます」
居てもたってもいられず小夜が行こうとすると、部下に腕を捕まれた。
「お待ち下さい!元帥はまだ帰られてませんけど、先程レイ隊員から連絡がありまして、二日後に戻られるそうです。元帥達と共に」
「無事だったのか…。良かった」
安堵の息をつく小夜に部下も笑顔を見せたが、すぐに不安げな表情を見せた。
「ですが、詩織隊長が深手を負ったそうで…」
「詩織が?」
その瞬間、小夜の中にまた不安が広がった。
< 192 / 318 >

この作品をシェア

pagetop