マリア教会
その時、レイラは少女と目が合った。そして、少女が微かに微笑む。
「……!」
少女の笑顔はやはり悲しい。歌声よりも少女の悲しみの色に胸が締め付けられる。
レイラは最後まで少女を見ていられず、マリアに断りを入れてからお御堂を出た。
「……」
外に出て息を吸うと、少し胸の圧迫感が収まった。だが、少女の悲しい笑顔が頭から消えない。
あの少女は何を背負ってるんだろう…。
これが、レイラと少女の出会いの始まりだった。
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