マリア教会
そろそろ歌が終わる頃、背後で草を踏む音がしたので夏季は歌を途中で止め振り返った。
「頑張ってるね、夏季」
「詩織」
声をかけてきたのは小さい頃から姉のような存在の詩織。
詩織は真っ白なスーツの上下に、白のコートを羽織っている。そして腰には一本の刀を差していた。これは詩織達――マリア教会守護隊に所属している者しか持つ事が出来ない。
普段から厳しい訓練を受け肉体と精神を鍛え上げている守護隊は、マリア教会の警察組織のようなもの。だが街の事件などを引き受ける事もあるので、危険を伴う仕事だ。
守護隊は一から五部隊まであり、数字が小さいほうほど優秀だそうだ。ちなみに詩織は第一部隊の隊長。コートは隊長だけが身につけられる。
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