マリア教会
優秀な第一部隊の隊長になったという事は、詩織は守護隊のトップだ。夏季が嬉しそうにそう言うと、詩織は複雑な表情を浮かべ、
『私達に上も下もないよ。教会や街を守るという志は同じだ』
と言っていた。優しい詩織らしい。
他に、第一部隊だけに力を集中させるんじゃなくて、他の部隊力も均一になるように力を分散させたほうがいいと教会の幹部に申し出て幹部はそれを受け入れた。
それと、これは詩織が申し出たのか分からないが、詩織が隊長を務める第一部隊は隊員が一人しかいない。
少し昔はもう一人いたが、今はもういない。
詩織はこちらに近付いて来てベンチに座った。夏季もその隣に座る。
「もっと上手くなって早く聖歌隊のメンバーに選ばれたいもん」
グッと拳を握る夏季に詩織は優しい瞳を向ける。
< 5 / 318 >

この作品をシェア

pagetop