ここから、向こう側まで。



ひとつ、割れる窓ガラス。


それは何かを伝えている。


それは何かを叫んでいる。


それは何かを塞いでいる。


何者かの進行を必死に防ぐ音。


限りなく恐ろしく嫌いな景色を壊す。


誰かが窓ガラスを割り、ひとつの世界が誰かの中で壊れ、現実のほんの一部分が徐々に違う世界を歩んでいく。


そんな世界を偶然でもいいから彼女と創り出し、共に過ごしていきたいと思うのは俺だけだろうか。
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