ここから、向こう側まで。
横顔の彼女がどうしようもなく愛おしくなった。
その言葉、その言葉が導き出したい答えなのか。
そして俺は大きく冷たい空気を吸い込み、しばらくして吐き出した。
「燃やそうか」
唐突な言葉などではない。
ずっと溜め込んでいた言葉だった。
でもその言葉の意味など知らない。
わからなくてもいい。
「・・・え?」
彼女は、はっとした顔つきでこちらを向く。手をかけていた柵から少し離れる。