ここから、向こう側まで。
【episode.5】
俺たちは決めた。
ここをキラキラさせる。何より輝くように。俺たちを照らしてくれると信じた。
寒さの始まる深夜、誰もいない学校で二人、冬を迎え撃つはずだった灯油をこの学校に持ってきた。
それを学校中に浸し、俺たちは笑った。
廊下には聞いたことのないような楽しそうな声が響きわたっている。終わりたくはない。俺たちは終わりたくはない。
人々の喧騒に飲まれて、死んでしまいたくはない。
囲いから離された自分たちが、何の為に火を灯すのか-----
周囲からの防御?俺たちだけの世界?人々の注目?
未だにはっきりとは見えない。わからない、何もわかっていないんだ。