ここから、向こう側まで。
「またお前、か」
彼女が言いかけた途端、薄ら禿げた先生が現れる。この先幸薄そうな面は、さっきの破片より酷い。
そしてお前、と、か の間にどうしても腹が立つ。
「何枚割ったらすむんだ?今月何回目だ?いい加減にしろ、だいたいな、お前はな、・・・」
先生が説教を始めると、彼女はこちらに背を向け俺とは逆方向に走り出す。
先生の光る頭に逆光を浴び、眩しくて目を閉じる。
開けた頃には、彼女の姿はなく、先生のやるせなさが感じ取れてしまった。
「お前も共犯か。だとしたらな、次やったらな、次こそはな」
また始まる先生。俺も走ろうか。どこに続くかわからないこの道を。