ここから、向こう側まで。
【episode.2】
「ああーー。あの人たちは窓ガラスじゃないんだよね。
なんだか難しいし。やってる事も言ってる事もわかんない。
最後に喋ったのいつだっけ?
この屋上に初めてきて、偉そうに見下しちゃったのいつだったけなぁ・・・」
彼女の表情は言葉とは裏腹に無表情だった。
やっと絞り出した言葉なのかもしれない。その完成度の拙さに身震いがする。
きみは知ってるか。
俺は全部全部、考えている事なんてわかっちゃうんだよな。
その衝動をさ、ぶつけてぶつけて・・・・・・
その響く音が、信じられないくらいの力を発揮したりする。