ここから、向こう側まで。
「へぇ・・・。わたしね、この景色が毎日夢に出てくる。それで毎回毎回燃えてるの。ガソリンまみれのグラウンドとこのボロい校舎がさ。
その夢見てから、鳥肌たつんだよ。この景色。
人も、燃えてるんだよ。
わたしと 一緒?」
少し間が空き、何かの訪れかのように一瞬の風がひょおっと吹く。
彼女の長い前髪が揺れ、垣間見える虚ろな顔が強調される。
「あはは、引いた?引いたよね。前にこれ話した事あったんだ。ほら、あのクラスの安藤って女の子。それ以来あの人わたしと目合わせてくんないし・・・」