保健室は内緒の楽園
私は少し考えた。
遊園地…海…映画…水族館。
考えれば考えるほど
どうしたらいいのかわからない。

それに………

彼は本当に
私を好きなんだろうか…。
ただ単に、ノリとかでそう言ってるだけじゃないのかな…。
信じたい。
こんな夢みたいなことが
現実なのだとしたら。
だけれど……
私は俊哉さんのことをあまりいや…ほとんど知らない。

「じゃあ、映画館、
行きたい…です。」

とりあえず、そう返事をした。

「了解、じゃあ映画館行こう(笑)」

そういうと、少し真剣な顔で運転し始めた。

この映画館へ行くという“デート”が終わったら……
きっともう会うことは無いんだろうな……。

そう思っていた時だ。

「着いたよ、行こう。」

彼の一言で我に戻った。

「すいません、
考え事…していて。」

「うん、なんか深く考え込んでた(笑)
別に構わないよ、
だから困った顔すんな。大丈夫だから。」

そう言うと、私の頭を
優しくポンポン、としてくれた。

その手はとても大きくて
ドキドキした。

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