保健室は内緒の楽園
「あ、あの…まだチケット……」

私の声が聞こえていないのか、
どんどん進んでいく。
ついに…チケットを見せる所まで来ちゃったぁ……!

「チケットを、見せてください。」

ほ、ほらぁ―……
どうしよう…
まだ買ってないよ……!

そんな私の不安はおかまいなしに、
俊哉さんはポケットから
紙を2枚取り出した。

え、な、なんで…!?

映画のチケット………



「…はい、大人2枚。」

俊哉さんがチケットを見せるとスタッフのお姉さんは顔を赤らめている

「あ、はい…////
で、ではどうぞ////」

それもそうだよね…。
こんなにカッコイイんだもん………。


「ゴメン、実はさっき買ってきたんだ(笑)」

「え…!?そんな…!
チケットまで悪いですよ!
お金払うんで……!」

そこまで言った時だった。
抱きしめられ…耳元で呟かれる声……。

全てにドキドキした。

「で、でも……」

「でもじゃない。
さぁ、行くぞ……?」


“デートなのに…

可愛い彼女に金なんか
俺が払わせるわけないじゃん……?”

耳元で呟かれた言葉が、頭の中で木魂して…
また、顔が赤くなった。

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