保健室は内緒の楽園
「……すいません。」

「しかも…、これ、3本目だし。」

そういうと、俊哉さんは手に持っていたコーヒーの缶を少しだけ振った。

「本当…ごめんなさい。その…、寝坊…しちゃって。」

そういうと、フッと笑い優しい表情をした。

「でも…まぁ、いいよ。許してやる。

あと、これからは俺が変な奴にナンパされたりされねぇように、見張っててやる。」

すると、なにかを企んだかの様な意地悪そうな、悪戯を考えついた、子供の様な顔をし始めた俊哉さん。

「さ、行こうか?」

その時の顔はそのままだけど…

声がすごく澄んでいて

大人っぽい…まぁ、
大人なんだけど………

落ち着いた口調でそう言うと、私の手を引きながら歩きだした。

「は、はい!」

私には…返事をするという事しか選択は、なかった。


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