こいのおくすり
「こたろー…?」
「お前は死なない。俺が死なせない。約束しろよ。」
そう言うと日花璃が俺を抱きしめ返してきた。
「お前、元気になって学校行くんだろ。俺と一緒に。」
「うん…っ…」
「だから、死ぬな。お前なら大丈夫。先生達を信じろ。」
「こたろ…っ…」
そう言って日花璃に言い聞かせる。
日花璃を失いたくない。
守ってやりたい。大切にしてやりたい。
俺にとって一番大事な存在。
そんなこいつを死なせてたまるか…
「日花璃、約束。死なないで。お願い。」
そう言うと日花璃はまたまた泣き出して
「じゃあっ…こたろも…やくそ…く…っ」
「何を?」
「死なない…から…っ、あたしを…ろの…め…して…?」
「何?聞こえない…」
「あたし…を…っ、こたろの…お嫁さ…んにっ…して…?」
そう言われて驚いた。
別に付き合ってもない。
ただの幼馴染だった。
俺の一方的な片思い。
そう思ってた。
だけど、違った。
俺らの思いはやっぱり通じてたみたいだ。
「喜んで。」
そう言うと日花璃は笑顔になった。
あぁ、俺が見たかったのはこの笑顔。
やっと日花璃がちゃんと笑ってくれた…