こいのおくすり
 
その後の日花璃はというと

春からはまた高校に通った。

進路について聞くと

「あたし、こたろーのお嫁さんになるから進学はしないもんねっ。」

と笑顔で言う日花璃。

可愛すぎる…。

でもそれでいいのか…?


そして1年遅れで日花璃が卒業した後、

俺達は結婚した。

本当だったら日花璃を本当の意味で手に入れられて

すごく嬉しいのだが

俺はまだ学生で、日花璃のこと養えないから

卒業するまで待って欲しいと言った。

だけど、日花璃の両親が

「そんなことは心配するな。お前は勉強して立派な医者になれたらそれでいい。」

と言ってくれて、結婚することになった。

結婚して1年経った時

日花璃のお腹に子供がいることが分かった。

その時は日花璃の両親からものすごく怒られた。

でも、子供が生まれたとき、日花璃の両親も

俺の両親も自分の子供のことのように喜んでくれた。

そして今、23歳になった俺達は

家族3人で小さなアパートに住んでいる。

愛する人と、愛するわが子と一緒に住む

それがどれだけ嬉しいことかを知った。

愛する人が傍にいることが

どれだけ幸せなことかを知った。



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