こいのおくすり
 
晩御飯が出来上がった頃

「ただいま~」

と玄関から親父の声がした。

「おかえり~っ!」

と澪が親父の迎えに行く。

「今日もおつかれさまっ!カバンもつよ!」

「ありがとう。いっつも悪いな。」

「ううん、パパつかれてるもんね!」

そして二人でリビングに入ってくる。

「あら、今日はちょっと早かったのね?お帰り。」

「ただいま、ご飯は?」

「あと少しで出来るからちょっと待ってね。」

「分かった。」

そしてしばらく経ってご飯が完成して

みんなで食卓についた。

ご飯の時は相変わらず澪の小学校での話。

それが一旦終わると親父が口を開いた。

「そういえば、今日、爽の買い物行ってきたんだろ?」

「あ、ええ、行って来てわ。大体必要なものは揃ったよ。」

「そっか。」

お袋に話かけてるのに親父の怖い目線はずっと俺を見ている。

でもこの視線にももう慣れた。

だから俺は爆弾を落とすことにした。お袋。ごめんな(笑)

「そういやさー。今日雑貨屋行ったらさー。俺とお袋カップルに間違われたんだよなー。」

俺がそう言うと親父の顔は一層怖くなり

お袋の顔はとても引きつった。

「どういうことだ…?」

「え、ちっ…違「俺と一緒にストラップ見てたら店員さんに声かけられてさ、それで言われた。」

そうサラっと言うと親父の顔はますます怖いものとなる。

嫉妬心出しすぎだろ…おもしれー(笑)

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